Permanent of Entry #91
2月20日に放送された番組「学校へ行こう!MAX」内の企画 -名門校へ行こう!新体操編- は自分にとってはとても新鮮だった。
普段会場に新体操競技観戦に行くにしてもテレビ観戦するにしても目にするのは国際競技会ばかり。それすらも年に1、2回ぐらいしかない。最近でこそネット上で多くの動画がアップロードされるようになって来てるものの、そもそも国内の新体操競技のテレビ放送自体が皆無で、全日本新体操選手権すら放送してないのが現状のはずだ。こんな状態で一般人はどうやって新体操と触れ合うキッカケがあるのだろう。
そんななか有力高校佐賀女子の演技や、なかなか観る機会も少ない貴重なトレーニング風景もあり、これはナイスな企画だったと思う。この新体操特集のコーナー全体でおおよそ25分位に及んでいた。ゴールデンタイムにこれだけ新体操を放送したのは軌跡的だし、かなり多くの人達にインパクトを与えたことだろう。実際に google や YST のブログ検索で「新体操」をキーワードに検索すると、番組終了後暫くに渡ってかなりの数のブログがこの番組での新体操関連の記事を掲載したことが確認できる。普段では有り得ない膨大な数のサイトが新体操の話題に触れていることからも反響があったようでマスメディアの影響力が分かる。間違いなく多くの人達に新体操競技の存在をアピールしたと思う。
この学校は新体操ファンには有名だ。アテネ五輪の放送だったかバクー世界選手権の放送だったかは忘れたが、解説者が「日本には新体操を育てる土壌があるんです。佐賀女子とか・・・」って感じで喋っていたのを聞いたこともある。長年に渡って日本の中で高いレベルをキープしているみたいだ。
最初にトレーニングの時間割が出ていたが、授業が終わってから毎日6時間がトレーニングで、その内最初の2時間が柔軟に割り当てられていた。その後に個人や団体の練習に続いていたが、柔軟に2時間も使うらしい。体育館の中を皆なで一糸乱れぬ統制のとれたシンクロリズムでムカデのように綺麗なコーナリングでランニング(ルルベで)してたので、それも含めて準備運動から筋トレを組み合わせた複合柔軟まで全部込みの2時間だとは思うが、それにしても永い。1日24時間のうち2時間は柔軟だ。新体操=柔軟。柔軟中にV6インタビューに応えていた子は10年新体操を続けていると言っていた。すると10年間毎日人生の12分の1は柔軟だ。柔軟が日常生活に組み込まれライフスタイルになっている。凄い。
一人一人が個別のペースで柔軟してる場面とは違って、かなりの人数の部員が全員で合わせて同じ動きの柔軟を行う姿は圧巻。迫力が有る。開脚ローリング、脚上げ、開脚ローリング、脚上げ。とてもフレキシブル&パワフルインナーマッスル。膝を付いた状態で下脚を廻す。逆回転も。椅子に捕まってオーバーヘッドバックル。活字で書くと訳ワカメだが映像を観ると一目瞭然、百聞は一見に如かずだ。テレビで流されてた柔軟トレーニングはどれもまずバレエレッスンとかでは見かけない新体操独特の過激な柔軟になるのだろう。よく分からないけど、これって新体操の世界では標準的な練習なのかな?恐ろすぃ。
選手達が順番に得意の技を披露する場面があったけど、その中で最後に演じられたフープがマジックショーのように不思議な動きで身体の周りをグルグルと回って凄かった。あのような技ってポピュラーな技なのだろうか?初めて観た気がする。斬新だった。その他では国際選手の影響を大きく感じる動きが多かった。東欧選手への憧れはあると思われる。あとはそれをコピーで終わらせずに唯一のオリジナル技へと発展させることが大事だろうな。
団体演技ではフープ&クラブの演技を実演。世界の頂上の演技を見慣れているとどうしてももの足りなく見えてしまう部分もあるけど、1人がフープを投げて4人にまとめて輪投げとかアイディアを駆使してるようだった。見せ場のところでチームジャパンがやってるのとそっくりの技が披露されてたけど、あんな簡単にコピーされちゃうようじゃチームジャパン駄目じゃん。あれを観たらチームジャパンの事が心配になってしまう。佐賀女子は2006年の高校総体で4位の実力だが、もしかして高校総体や全日本新体操選手権で優勝する団体チームの方がチームジャパンよりよっぽど実力が上なのか?高校生はなんだか器用に何でも取り入れてしまいそうで、そのうちロシア張りの超絶技功な離れ技をやるチームが出てきてもおかしくない気配がある。
面白かったー。スーパーバレエレッスンの続きで録画してしまったがこのVTRは保存版確定だ。
追記 2007-03-02 00:00
ネット上を駆け巡って探索していると、3つのフープを1つのクラブでジョイントして人がその中を潜り抜ける大技はどうやら佐賀女子の方がオリジナルらしい。てっきり日本代表のオリジナル技だとばかり思っていたが、チームジャパンのコーチが佐賀女子にも指導に行っているそうで、高校生が開発した技をチームジャパンに取り入れたようだ。あの技の元祖が佐賀女子だったとは!
Last Updated: Wed, -0001-11-30 00:00:00
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Post Comment
説明ありがとうございます。私はインターハイも観ておらず他の学校の演技も全然知らない故、順位を基準にレベルを割り出してました。試合結果はミスをしたことで本来の実力による成績では無かったのですね。高体連ルールなどもまったく知りませんでした。国の代表が取り入れた技の開発元が佐賀女子だったことを後で知り、これは只者では無いだろうなという感じはしてました。毎回ユニークな演技を考えて実行しているようなので、是非他の団体チームの演技も含め観ることができれば一番いいのですが。
その辺のことはこちらのブログに書かれています。
http://ameblo.jp/anabanashi/entry-10026414118.html
http://ameblo.jp/anabanashi/entry-10026632184.html
新体操の取材をしているアナウンサーの方で、毎年東女体大の発表会の司会もなさっています。
ショートカット、噂には聞いていたんですが新体操でショートって想像がつかないです。でも全員で統一してたとなるとなんだか格好良さげですね。オールタイツはスタイルに自身があるのか、それとも他の人達とは同じ事はやらないという個性の表れか。どちらにしても素敵です :-D
そうでしたか。あのフープの技は目新しい技ではなくなってたのですね。色々な学校の団体演技に使われていたとは、知らなかったです。
別府鶴見丘凄そうですね。興味深いです。是非観てみたい。他にも宝塚北や藤村女子などインターハイ上位校は気になりますね。
インハイ優勝の別府鶴見丘の団体チームの演技は、他のチームが圧倒するほどのスピード感、オリジナル演技盛りだくさん!だった記憶があります。