Permanent of Entry #84
ローザンヌ国際バレエコンクールが1月29日から2月4日に開催されるが、これに先がけて swissinfo に「第35回ローザンヌ国際バレエコンクール」について、デイビット・アレン氏が語る。と題してティーチャーのデイビット・アレン氏に対するインタビュー形式の記事が出ている。近年世界中で開かれるバレエコンクールでアジア人が台頭してきており、よくニュースでも活躍を目にするが、この記事中でも、なぜアジア勢がこのところ優勢なのかという疑問や、アジア人とヨーロッパ人の表現の違い、体型のことなど興味深い質問に応えている。そして特に自分が気になったのはこの一文。
昔は、アジア人は上半身はいいのに、アンドゥオーという足を外側にスッと伸ばす動きや、ポワントゥという爪先立ちが下手だといわれていましたが、随分良くなりました。特に韓国人はとてもいい。中国人もいいです。日本人は少し、この点が弱いかと思います。
日本人はアンディオールが苦手な傾向にあるみたいなのだ。今NHK教育ではパリ・オペラ座『スーパーバレエレッスン』を放送しているが、その中でもルグリ講師は「はい、アンドゥオールして」「歩くときは膝を外に向けて」と生徒に対してしきりにアンディオールの指摘をする場面が出てくる。世界最高峰のバレエ団の指導でもよく出てくる程大事なのがアンディオールだと思う。バレエの基本はアンディオール。
そしてこれはバレエに限ったことではなく、新体操にも精通する部分ではないだろうか。よくバレエと新体操の相異点で挙がる部分でもあるし、バレエ側から見た新体操などの議論でバレエ派、新体操派で論争に発展したときによく題材に挙がってくるのもアンディオールだ。そして東欧の新体操選手がアンディオールできてる人が多いのに、日本の選手はできてない人が多いということも言われているようだ。
バレエの関節の動かし方は永い歴史に培われているだけに伊達じゃない。たんに見栄えがいいからという訳ではなく、怪我をし難くなったり、余分な力を入れずに自然に稼働できるようになったり、余計な筋肉が付かなかったりと、人体工学的にも理に適っている動きなのだと思う。アンディオールの重要性を軽く見ないほうが良いと素人の私は思うのであった。
Last Updated: Wed, -0001-11-30 00:00:00
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