全日本インカレ新体操 2008 観戦記

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初インカレ観戦、行ってきました!

第60回全日本学生新体操選手権大会パンフレット

来たる9月5から7日まで海老名運動公園総合体育館で第60回全日本学生新体操選手権大会が開催された。その2日目の試合を観戦した。

観戦日前日の夜までに茅ヶ崎に入って宿泊。当日はそこから会場へ向かった。朝一番の試技から見るつもりでいたにも関わらず、電車での移動時間や朝食時間の読みが甘く、迂闊にも15分-20分程遅刻してしまった。慣れない土地では、もっと時間に余裕を持って行動しなければならないと反省。

体育館の中は暑い。まだ残暑の残るこの時期に暖房を効かせるとはどういうつもりか。競技者もジャッジも観戦者も皆大変な筈だ。朝9時半から始まって、夜8時頃まで一日を過ごす環境としては過酷だ。最寄の駅から炎天下の中を歩いて来たので、会場の座席に着いてからも、しばらくは汗が止まらなかった。

個人競技はA班とB班があり、この日はB班からの開始で既に始まっていたので最初の方は見逃した。今回絶対に観たいと考えていた、昨年3月、当ブログの「小暮綾音選手にインタビュー!」エントリーで、ディナモ留学中にお話を聴かせて貰った小暮綾音選手の順番には間に合い、この日の予定であるクラブ、リボンの2種目とも堪能することができた。これまでなかなか拝見する機会に恵まれずにいたが、やっと観ることができた。

綾音選手、クラブのスタートでは腰にクラブを当ててもう一個のクラブでそれを抑えて、上に弾くように持ち上げるというような、手具が視野外になって見えない状態で操作を行なうリスキーな始まり方を実践していた。文章で書くと何のこっちゃ?って思うかもしれないが、百聞は一見に如かず。見るしかない。ほかにも他の選手には見ないような動きが随所にあった。ひとつひとつの動きを丁寧に演じている印象を持った。個人的にリボンがとても良かった。寂しさ、悲しみ、切なさ、といった感情が伝わってくる演技で、動きが音楽と調和していて、正に音を身体で表してしていた。動きと音の一致、表現の部分を大事にしているのが分かる。最後は倒れこむようにして終わる。ドラマチック!2005年バクーでの世界選手権、チャシナのボールの演技に共通するような、哀愁感が心に染み入る、グッとくる踊りだった。

念願だった綾音さんの舞を生で観れて感無量。満足、満足。

他にも大学生で活躍している新体操選手を一望することができた。インカレに限らず国内大会はほとんど観戦したことが無かったので、応援や競技などの全てが新鮮で新しい刺激になった。国際大会に日本の代表として出場している選手や、聞き覚えのある名の通っている選手らの演技の雰囲気も確認することができた。名前は知ってるが観たことがない場合が多かったので、分からなかったことを知るという、自分にとって実りの多い有意義な大会になった。

長時間観戦なので厳しい部分もあった。男子、女子の試技を交互にやっていくので一つの班を一通りやるだけでも4時間近く掛かる。前半にB班、昼の休憩を挟んで午後からA班が始まり、その後夕方から団体競技になる。この長い時間集中力を切らさずに観続けるのは難しい。特に昼過ぎからは食後の満腹感もあるし、暑さで頭がボーっとしてくる。ずっと座ってるので、お尻や腰も痛くなってくるし、エコノミー症候群になりやすく危険でもある。途中、通路とかでストレッチしたり、外に出て少し歩いてリフレッシュしたりと工夫してみたが、こんなに長い時間観戦したことが無かったので、個人の演技が全部終わる夕方6時頃にはギブアップ気味だった。

もう団体を観るのは辞めて帰ろうかと思いかけてた。個人が終わって団体が始まるまでに45分の間が空くのだが、もしこれが何事も無いただの休憩時間だったら帰ってた。しかし、この時間に団体の練習が割り当てられており、個人競技終了後にはすぐに団体の練習が始まり、フロア内に凄い活気が出てきた。

男子フロアと女子フロア、同時に練習が開始される。アナウンスで「どこどこ大学、練習時間は何時何分から何時何分までです」。「練習を始めてください」と流れる直前にはもうスタンバイOK。コーチの手拍子に合わせて動き、音楽に合わせて踊る。各チームに5分間しか与えられない短い時間に、矢継ぎ早に練習をこなしていく。「あと1分です」。「あと10秒です」。「どこどこ大学練習終了です」。そのアナウンスが流れる数秒前にはフロアから立ち去って行く。と同時に次の学校が隊列を組んで行進して入って来る、そしてすぐに練習が開始される。次から次へとこのような光景が繰り広げられる。音楽は男子も女子も同時に流しているので音が被さっている。掛け声や声援が絶えず飛び交って、会場内はエキサイティング。祭りだ、祭りだ、ワショーイ。

祭りが始まったのならば、帰るわけにはいかない。帰宅予定を変更、留まることにした。活気溢れる練習は眺めているだけでオモロイ。人の足を止めさせる力があると思った。お尻の痛みも忘れて見入ってしまった。

結局自分は団体の練習&本番と最後まで見届け、この日のプログラムのほとんどを見た。疲れたー。けど充実感があった。遥々観に来て良かったと思った。最後の団体競技は、どこも気迫の演技をしているので、応援の熱気と相まって迫力120パーセント。最後の締めに相応しいショーだった。夕方から観客が増えていたのは、これが目当てだったのかもしれない。この日の団体はロープの演技だったが、自分がこれまでに見たことのない動きや技がたくさんあり、東女体大は同時に回っている二つの縄跳びの間を選手が絶妙のタイミングで潜り抜けていくというお見事な芸当も披露してた。インカレは是非とも体感しておいて損はないイベントかと思った。

噂には聞いていた東女体大の応援は強烈であった。東女の選手が演技をするときは、難度が決まる度にフロア正面に陣取っている応援団から「キャー」という声が響き渡る。音量も半端じゃない。東女の演技中はずっとその状態が続くので、音楽がかき消されてしまって聞き取れなくなる。特に東女の団体演技2分半が終了した直後は、耳鳴りがして一時的に耳の聞こえが悪くなってる気がするぐらいだった。聴力障害を引き起こしそうな程の音圧で放たれる声援。恐るべし。

Last Updated: Wed, -0001-11-30 00:00:00

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Morgoth @R/5d07kU

Dear: うさぎさん
雰囲気伝わったでしょうか。
応援は凄かったですね。国士舘とか、中京とか、花園とかみたいに男女両方の選手が出場してる学校だと、女子の演技のときにも同じ学校の男子応援団から激しい声援が加わって、初めて体感する光景に、「ありえねー」って心の中で叫んでました(わら
団体、皆凝った演技構成で面白いですね。見応えありました。また観たいって思いましたよ。
綾音選手のクラブの操作、なんとなく分かりますか?お腹でやってた選手を観た事があるとのこと。似たような形状を観たことがある場合は、想像もしやすいですよね。私は難しいことに挑戦しているのだなぁと思いながら観てました

うさぎ @-

インカレレポートありがとうございます。その雰囲気が目に浮かぶようです…
どんな大会も団体の応援はスゴイですよね。迫力もあるし。団体の演技も必死さや頑張りが伝わるし、構成もそれぞれ凝ってて面白いです。私はどちらかというと、団体の観戦が好きです(*^‐^*)
綾音選手のクラブの操作、なんとなくわかります。視野外でなく、お腹の方でやってた選手を観た事あります。インカレ…行きたかったなぁ。

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