Permanent of Entry #2244
五輪シーズンが始まって怪我人が続出しているフィギュアアスケート女子。ここ数年の短期間に急速に技術進化を遂げる中、過酷な練習を行なって負傷するリスクが高まっているのが想像できる。
そんな儼たるご時世、快進撃を続けているのがロシアのカミーラ・ワリエワ15歳。大会に出場する毎に記録を塗り替えながら優勝するという異次元の躍進振りで、12月初旬現在、自身が出場する大会は今季3大会連続で世界記録を更新、自ら打ち立てた記録を次の瞬間には塗り替えてしまうという偉業で界隈を賑わせている。
ISU公認世界記録(2021年11月27日GPロシア大会終了時点の記録)
Short Program: 87.42 (Kamila Valieva) Free Skating: 185.29 (Kamila Valieva) Total: 272.71 (Kamila Valieva)
見事にショート、フリー、トータル、全ての記録を塗り替えた。
ライバルは自分自身、今日の自分は過去の自分に打ち勝つ。己を乗り越えていく。今フィギュアの世界でワリエワ伝説が始まっている。
元々非の打ち所がないバレエメソッドを備えた唯一無二の美しい滑りをする神秘的なパーフェクトスケーターが、より高みを目指して高難度化を遂行したうえ、精度を上げながら目まぐるしくアップデート進行中なのである。
私の見込みは確かだった・・・ しかし、ここまで凄くなるとは!想像を上回る勢いで進化を遂げている。
GP第6戦ロシア大会に出場したワリエワは最後の砦となっていたショートでも記録更新に成功してオール制覇したが(実は昨年の非公認大会でショート90点超えを出している)、その演目("In Memoriam" by Kirill Richter)は心に響くものだった。
後のインタビュー記事を読んだら、このショートは2年前に亡くなった祖母へ捧げるプログラムなのだそうだ。演技は何かが乗り移ったかのような感じで、ワリエワの世界に引き込まれた。氷上のプリマ、孤高の表現者による心に染み入る作品。また3回のジャンプ、コンビネーションを入れて4つのジャンプを全てタノジャンプで跳ぶところも圧巻。Must Watch!
※ISU の公式 YouTube チャンネルにその動画はあるが、ジオブロックが掛かっているので日本からのアクセスは VPN が必要。
シーズン早々からワリエワの独走態勢となっているフィギュア女子。対抗馬に成り得るはずだった元祖4回転ジャンパーのアンナ・シェルバコワとアレクサンドラ・トゥルソワはどちらも怪我の影響を受けている。北京五輪開催まであと2ヵ月と迫る中、両名ともコンディションを良くするために頑張っていると思うが、果たしてワリエワと競い合うことができるところまで復調するだろうか。
12月後半に開催予定となっているロシア選手権は五輪代表選抜に関係する大会。その先を予測する次の注目ポイントにもなる。目が離せない。
Last Updated: Thu, 2021-12-09 06:03:20
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