Permanent of Entry #150
ギリシャの Patras (パトラス)で9月16日から23日に開催された世界新体操選手権の後半(21日から23日)、個人総合決勝と団体総合・団体種目別の結果。
ロード・オブ・ザ・パトラス/女王の帰還
個人総合決勝は予選の上位24名(一国2名まで)で争われ、ベッソノワ優勝、セシナ準優勝、カプラノワ銅メダル、4位ジュコワ、5位ガラエワ、6位ユスポワ、7位リセンソン、8位チャルカシナ、9位 Alexandra Orlando、10位ペイチェバ、11位シッド、12位アンドリオラ、13位ギマトワ、14位 Caroline Weber、15位パイシエバ、16位 Joanna Mitrosz、17位 Soo-Ji Shin、18位 Irina Kikkas、19位 Irina Kovalchuk、20位 Neta Rivkin、21位 Ulyana Trofimova、22位 Johanna Gabor、23位 Xiao Yiming、24位 M. Samlikashviliとなっている。
個人総合決勝の20位までの選手が五輪枠を確保。FIG 推奨枠も4枠のうち、Xiao Yiming (CHN-Asia)、 Odette Richard (RSA-Africa)、 Naazmi Johnston (AUS-Oceania) の3名が確定した。23名まで決まり、残る枠はあと一人。リザーブにはウズベキスタン、ドイツ、グルジア。
ゴデュンコの怪我によってウクライナは厳しい状態にあったが、3番手の選手 Irina Kovalchuk が活躍して19位にランク、2枠を確保している。
フォーラムサイトにリアルタイムで書き込まれる世界の新体操ファン達の実況で、ベッソノワがミラクルな演技で世界中を包み込み、大きなインパクトを与えたことが分かる。これまでロシアの最高峰選手が出場している試合では、一部の大会を除いて個人総合競技で首からゴールドメダルを掛けることのなかったベッソノワ。それが年間の最も大きな新体操イベントの世界選手権で奇跡の優勝を成し遂げ、念願のワールドチャンピオンとなった。新体操界のエレガンスの女王は、晴れて真の女王の座に着いた。新体操ファンの多くが待ち望んでいた、新体操本来の優美さを表現できる選手が女王として帰還したことは喜ばしい出来事だと思う。Congratulations Anya!!(優勝記念ぱぴこの足跡)
ベっさんのキス&クライ
- Anna Bessonova : Patras - World Championnship (YouTube)
- 2007 Patras Special Gallery - Anna Bessonova at "Kiss & Cry" (Tom Theobald PhotoShelter)
ロード・オブ・ザ・パトラス/The Fellowship of the Group Team
団体総合は27チーム出場で、ロシア優勝、イタリア準優勝、ベラルーシ銅メダル、4位ブルガリア、5位スペイン、6位イスラエル、7位日本、8位ウクライナ、9位中国、10位アゼルバイジャンとなっており、この10ヶ国の団体チームが北京五輪の出場権を得た。団体チームの推奨枠2枠も11位のブラジルと12位のギリシャに決まり、北京五輪に出場できる12チーム全てが決定した。リザーブはドイツ、ポーランド、カナダ。
日本の選抜団体チーム「フェアリージャパン POLA」が団体総合で7位にランクして見事に五輪切符を手にした。日本体操協会のレポートレポート(7)団体総合によると、日本チームのフープ&クラブの2人同時に行なうフープ潜りの箇所でクラブを落下するミスが出たようだが、落下したクラブを拾い上げると弾丸のようなスピードで相手に投げ、その後何事もなかったかのように難度を行う。
とある。この部分は日本チームの演技をテレビ観戦する際の見所になる注目ポイントかと思う。どのように危機を回避したのか。終始攻めの姿勢で大会に挑んでいたようなので、その辺の雰囲気も含めて観るといいのではないだろうか。
団体種目別ロープは、ロシア優勝、イタリア準優勝、ブルガリア銅メダル、4位ベラルーシ、5位イスラエル、6位スペイン、7位日本、8位フランス。
団体種目別フープ&クラブは、ロシア優勝、イタリア準優勝、ブルガリア銅メダル、4位ベラルーシ、5位ウクライナ、6位スペイン、7位イスラエル、8位日本。
豆知識: 今大会に出場しているロシア団体チームの平均身長は177cm以上。参考: Review Group Apparatus Final
ロード・オブ・ザ・パトラス/二つの警告
各報道ではあまり触れられていないみたいだが、今大会では開始早々イスラエルやグルジアなどの一部の審査員にイエローカードが出ている。イスラエルの審査員に至っては2枚もイエローカードが渡されている。おそらくイエローカードを受けた審判の国からは、次の五輪大会へ審判を派遣できないはず。この辺りの詳細を御存知の方はご教授ください。
こういったダークサイドジャッジの被害を受けて不当に低い得点を出されてしまった選手は報われない。
Rank | Gymnast | CC | Rope | Hoop | Clubs | Ribbon | Total |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | BESSONOVA Anna | UKR | 18.475 | 18.650 | 18.375 | 18.450 | 73.950 |
2 | SESSINA Vera | RUS | 18.450 | 18.400 | 18.350 | 18.700 | 73.900 |
3 | KAPRANOVA Olga | RUS | 17.400 | 17.025 | 18.125 | 18.150 | 70.700 |
4 | ZHUKOVA Inna | BLR | 17.100 | 17.250 | 17.725 | 17.100 | 69.175 |
5 | GARAYEVA Aliya | AZE | 17.300 | 17.250 | 16.500 | 17.400 | 68.450 |
6 | YUSSUPOVA Aliya | KAZ | 16.925 | 17.800 | 16.825 | 16.325 | 67.875 |
7 | RISENSON Irina | ISR | 16.650 | 17.000 | 16.475 | 16.100 | 66.225 |
8 | CHARKASHYNA Liubov | BLR | 16.525 | 17.050 | 16.275 | 16.200 | 66.050 |
9 | ORLANDO Alexandra | CAN | 16.225 | 16.650 | 16.375 | 16.700 | 65.950 |
10 | PEYCHEVA Simona | BUL | 16.800 | 16.875 | 15.975 | 16.200 | 65.850 |
11 | CID Almudena | ESP | 16.775 | 17.000 | 16.150 | 15.725 | 65.650 |
12 | ANDRIOLA Eleni | GRE | 16.500 | 16.875 | 16.225 | 15.275 | 64.875 |
13 | GIMATOVA Dinara | AZE | 15.950 | 15.475 | 16.375 | 16.600 | 64.400 |
14 | WEBER Caroline | AUT | 15.900 | 15.800 | 15.650 | 15.850 | 63.200 |
15 | PAISIEVA Elizabeth | BUL | 15.800 | 15.575 | 16.350 | 15.450 | 63.175 |
16 | MITROSZ Joanna | POL | 15.750 | 15.875 | 15.425 | 15.775 | 62.825 |
17 | SHIN SooJi | KOR | 15.650 | 16.300 | 15.050 | 15.700 | 62.700 |
18 | KIKKAS Irina | EST | 15.500 | 16.200 | 15.275 | 15.650 | 62.625 |
19 | KOVALCHUK Irina | UKR | 15.850 | 15.825 | 15.950 | 14.850 | 62.475 |
20 | RIVKIN Neta | ISR | 15.475 | 15.725 | 15.950 | 15.000 | 62.150 |
21 | TROFIMOVA Ulyana | UZB | 15.075 | 15.675 | 14.875 | 15.250 | 60.875 |
22 | GABOR Johanna | GER | 13.850 | 15.650 | 14.975 | 15.225 | 59.700 |
23 | XIAO Yiming | CHN | 15.625 | 15.450 | 14.400 | 14.125 | 59.600 |
24 | SAMUKASHVILI M. | GEO | 14.400 | 15.050 | 14.750 | 14.350 | 58.550 |
Rank | Country | 5 Ropes | 3H/4C | Total |
---|---|---|---|---|
1 | Russia | 17.650 | 17.450 | 35.100 |
2 | Italy | 17.125 | 17.125 | 34.250 |
3 | Belarus | 17.100 | 16.700 | 33.800 |
4 | Bulgaria | 16.675 | 16.925 | 33.600 |
5 | Spain | 16.075 | 15.825 | 31.900 |
6 | Israel | 16.000 | 15.600 | 31.600 |
7 | Japan | 15.625 | 15.350 | 30.975 |
8 | Ukraine | 15.400 | 15.400 | 30.800 |
9 | China | 15.375 | 15.025 | 30.400 |
10 | Azerbaijan | 15.375 | 14.625 | 30.000 |
11 | Brazil | 14.575 | 14.500 | 29.075 |
12 | Greece | 15.000 | 13.900 | 28.900 |
13 | Germany | 14.775 | 14.050 | 28.825 |
14 | Poland | 14.025 | 14.650 | 28.675 |
15 | Switzerland | 14.125 | 13.700 | 27.825 |
16 | France | 15.625 | 12.125 | 27.750 |
17 | Canada | 13.600 | 13.325 | 26.925 |
18 | Korea | 13.750 | 12.850 | 26.600 |
19 | Austria | 13.575 | 12.800 | 26.375 |
20 | Kazakhstan | 13.225 | 12.850 | 26.075 |
21 | Finland | 12.875 | 12.925 | 25.800 |
22 | Cuba | 12.300 | 12.500 | 24.800 |
23 | USA | 12.700 | 12.025 | 24.725 |
24 | Mexico | 12.550 | 11.725 | 24.275 |
25 | Venezuela | 11.575 | 11.575 | 23.150 |
26 | New Zealand | 11.525 | 11.150 | 22.675 |
27 | Chile | 10.400 | 10.175 | 20.575 |
Rank | Country | Diff. | Arti. | Exec. | Pena. | Total |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | Russia | 8.700 | 9.200 | 8.700 | - | 17.650 |
2 | Italy | 8.300 | 9.100 | 8.600 | - | 17.300 |
3 | Bulgaria | 8.100 | 9.050 | 8.500 | - | 17.075 |
4 | Belarus | 8.050 | 8.900 | 8.400 | - | 16.875 |
5 | Israel | 7.450 | 8.550 | 8.050 | - | 16.050 |
6 | Spain | 8.100 | 8.350 | 7.800 | - | 16.025 |
7 | Japan | 7.450 | 8.300 | 8.000 | - | 15.875 |
8 | France | 7.100 | 8.350 | 7.800 | - | 15.525 |
Rank | Country | Diff. | Arti. | Exec. | Pena. | Total |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | Russia | 8.550 | 9.200 | 8.650 | - | 17.525 |
2 | Italy | 8.200 | 9.200 | 8.650 | - | 17.350 |
3 | Bulgaria | 8.300 | 8.950 | 8.350 | - | 16.975 |
4 | Belarus | 7.900 | 9.000 | 8.500 | - | 16.950 |
5 | Ukraine | 7.700 | 8.550 | 7.950 | - | 16.075 |
6 | Spain | 8.050 | 8.500 | 7.650 | - | 15.925 |
7 | Israel | 7.400 | 8.500 | 7.850 | - | 15.800 |
8 | Japan | 7.150 | 8.050 | 7.450 | - | 15.050 |
- Rhythmic Gymnastics World Championships - Patras 2007
- WORLD CHAMPIONSHIPS PATRAS 2007
- 28th Rhythmic Gymnastics World Championships - Individual Competition - Patras, Greece
- 28th Rhythmic Gymnastics World Championships - Group Competition - Patras, Greece
Last Updated: Wed, -0001-11-30 00:00:00
- Entrylinks:
- Related Entries
-
- FIG、世界新体操選手権の新しい形式と2024年パリ五輪新体操の新しい予選システム発表 2019-05-06
- イオンカップ2008のチケット発売 2008-09-11
- Russia RG & CLASSICS Show の動画 2022-09-11
- 世界新体操選手権 2019 バクー大会 FIG 6日目の動画 2019-09-22
- ブルガリア新体操団体チーム 2010 2010-01-08
Post Comment
私もそうなると良いなぁと思います。
結果としては、団体にしかスポンサーが付かなかったのですが、それは最初から団体に限ってスポンサーを募ったのか、個人も含めてスポンサーを募ったのに企業側が団体のみを選んだのか、という過程が明らかにされていないので、疑問の生じる余地があるのだと思います。
公表されている体操協会の資料によると、18年度の競技力向上会計は3,000万円近くの赤字で、その理由として新体操合宿経費(ベラルーシ合宿、国内合宿等)の増加、新体操団体チームの収支(大口スポンサーの不在)などが挙げられていますので、個人の強化にはほとんどお金が回らず、団体関係者がスポンサー探しにかけまわらないといけなかったのは、十分に想像できますけどね。
できれば、団体チームだけではなくて、日本の新体操を応援していただけるスポンサーがいてくださるといいなと思います。オリンピックでメダルを取ったことのない競技は、個人でスポンサーをみつけるのは、すごく困難なことだと思いますので。
確かに個人の日本代表選手へのサポートがないのは、可哀想ではありますね。でも日本の新体操強化の方針として、団体に特化した強化策を打ち出しているので、仕方がないことかもしれません。今回は選抜団体チームにしかスポンサーが付かなかった。個人選手達にもスポンサーが付けばいいのですが、そこに魅力を感じる企業等があるかどうかがポイントになるかと思います。
ササキやチャコットのような日本の企業も、オフィシャルサポートしているのは世界のトップ選手達というのが現状みたいですから。
素人の私には詳しいことは分かりませんが、日本の新体操界全体のサポートや強化は今後の大きな課題なのだと思います。
「チーム・ジャパン」というのは、本来、個人・団体の選手達、それを支えるコーチやトレーナーなどを総称して使われるべきだと思いますが、いつの間にやら団体の選手達だけを指すようになり、そこに企業のスポンサーが付いたことで「フェアリー」と変わったのですよね。
どういう大人の事情が働いたのかはわかりませんが、個人の選手達は無視されているような気がして、少し心配でした。
今回の団体の快挙は確かに素晴らしいことですが、その一方で出場権を確保できなかった個人の選手達の無念を思うと、心が痛みます。
問題を選手個人個人に矮小化させるのではなく、新体操界を挙げてのサポートや強化体制まで含めて見直さなければ、メダルへの夢は本当に笑い話になってしまいかねないと思うのです。
私はたいしたことも書いてないのに褒めてもらってスイマセン。ありがとう御座います。
これから新体操のルールがどうなっていくのかは分からないけれど、詳しいことまで知らなくても、観てる方に面白さが伝わるようになってくれたらいいなぁと私は思います。特に個人の方では柔軟性を求め過ぎ、身体を酷使し過ぎな傾向に感じるので、今よりもっと別の部分での加点を増やしてくれたら・・・
北京も楽しみ、その次に開催の三重での世界選手権も楽しみです。イオンカップでも各選手頑張ってもらいたいです。
大会も終わり、テレビ放送を待つだけとなりましたが改めて“新体操って素晴らしいスポーツなんだ!”と思いました。ここ数年目まぐるしく変わるおかしなルールに振り回され、新体操って何?こんなスポーツだったっけ?なんて嘆いていましたから。
北京が楽しみですね。その前にイオンカップ。疲労のピークだと思いますが、日本の子どもたちのためにステキな笑顔で観客を魅了して欲しいです。横地選手のステキな演技も期待したいです。