小暮綾音選手にインタビュー!

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Akane and Rudalova早稲田大学国際教養学部(体操部所属)、現在ベラルーシのディナモに1年間の新体操留学中の 小暮綾音 こぐれあやね 選手にEメールを介して練習や生活など様々な話を聞いた。世界最高峰の新体操クラブの一角でもあるディナモってどんな感じなのだろう。

独占インタビュー。取材時期:2007年3月中旬から下旬にかけて。(写真左:小暮綾音選手、 右:モデルの仕事もこなすスベトラーナ・ルダロワ選手)

追記 2007-05-09 00:00

問題箇所があった為一部訂正

Q.今は何年生ですか?

今年の春に大学3年生になります。

Q.いつ頃から新体操を始めたのですか?

正確には覚えてませんが確か5,6歳の頃、まだ本格的にではなく、お遊びみたいな感じから始めました。

Q.新体操を始めたきっかけは何ですか?

近所のスポーツセンターでたまたま新体操をやっているのを見かけて、それに惹かれて1つ上の姉が始めたのですが、私はなぜか絶対やらないって言い張っていたのに、気づいたらいつのまにか始めてました(笑

Q.ずっと個人競技の選手だったのですか?

はい、ずっと個人競技メインでやってきました。本当は団体もやってみたかったんですけど(笑

なかなか機会がなくて…。

Q.好きな選手・尊敬する選手はいますか?

今はもう引退してしまったけれど、ユリア・ラスキナ選手とテオドラ・アレキサンドロバ選手が 大好きでした。両選手とも、動きと曲がすごくあっていて、観客をとても魅了する演技をしていたので…。今の選手では、アンナ・ベッソーノバ選手が好きです。新体操の一番重要な “表現” を大切にした演技をする人は結構すぐに好きになってしまいます。

尊敬する人は、今私のコーチをしてくださっているラリサ・ルキヤネンコさん。指導中はいっぱい怒鳴られたり、柔軟・筋トレ等に対しても容赦なくて厳しいけれど、その厳しさが今の私には必要だし、成長させてくれている気がするので…。他の地元のディナモの選手と全く同じように私に対しても厳しく接し、指導してくださってることをとても有難く思っています。また、尊敬する選手では、リュボフ・チャルカシナ選手とスベトラーナ・ルダロバ選手。こっちにきて初めて2人の普段の練習する姿を見て、2人とも、ディナモの中でもずばぬけて真面目で努力型で自分自身のハードルをつねに高くしていて、すごいなって思ったので、私もそういうところを見習いたいです。

Q.ベラルーシ留学に至った経緯を教えてください

ディナモに新体操留学できたのは、本当に奇跡だったと思います。まず、最初の要因は私の学部、早稲田の国際教養学部は1年間の留学を必修事項としていて、(場所の選択肢はほとんど世界中どこでも)始めは普通の人みたいにアメリカやイギリスにいって英語だけを極めようかと思っていました。

でも、日本にいたときに先生から、ロシアかベラルーシに新体操留学したらどうかと勧められ、そのようなことが可能ならばもちろんそうしたいと思ったので悩んだ結果、そうすることにしました。もちろん、誰もが簡単に新体操留学できるわけじゃないし、現に出発した後も、まだこっちで新体操を続けられるかどうかさえ全く決まっていなかった状態だったので、行く前は新体操をやめる覚悟もしていました。その後、たくさんの方々のおかげでディナモのレパルスカヤコーチとラリサ・ルキヤネンココーチとお話する機会が得られ、ここまできてもやれるかどうかの最終決断を下すのはレパルスカヤコーチだったので、とにかく拙いロシア語で精一杯、自分がディナモで練習したい熱意を伝え、結果、受け入れてもらえ、さらに嬉しいことに、一番上のインナを始めとするオリンピック選手がいるトップクラスで一緒に練習させてもらえることになりました。(ディナモにはたくさんの選手がいるのでいくつものグループに分かれて練習しています)

とにかく私はものすごく環境に恵まれていたんだと思います。大学のプログラムを始め、留学資金等の経済面+両親の合意、そして何より私とディナモの接触機会を作ってくださったたくさんの方々…これらすべての環境が整ったからこそディナモ留学という夢のまた夢であった願望が叶ったんだと思います。両親も含め、私を支援してくださった方々には言葉では伝えきれないぐらい、感謝の気持ちでいっぱいです。

Q.ロシアかベラルーシに新体操留学をすすめられたとのことですが、ウクライナやブルガリアへの選択肢はなかったですか?

ブルガリアには留学提携校があったかもしれませんが、どちらかといったらやはりベラルーシの方が好きだったので…。ウクライナは通えるような範囲に提携校がなかったので選択肢にはありませんでしたがもしあれば、考えていたかもしれません。

Q.留学期間はいつからいつまでですか?

2006年9月から2007年7月下旬までの予定です。

Q.ディナモには他にも海外から留学している人は居るのですか?

一度、冬にイオンから2名の選手が合宿をしにやってきていました。また、ちょうど今の時期まで、南アフリカから1人、2ヶ月弱練習しに来ていました。こういう留学仲間は心強いし、いろんな国の選手と友達になれるのはとても嬉しいです。他にもいろんな国の選抜団体が練習しに来ていたりして、やっぱりベラルーシはみんなが憧れる新体操の強豪国なんだな、って改めて感じました。

Q.一日の練習時間はどれ位ですか?

トータルで7~8時間ですが間にかなり長いお昼休憩があります(笑

Q.トレーニングメニューはどういったことをこなしているのでしょうか?

だいたい朝8:30~バレエレッスンをピアノ伴奏とともに、バレエ専門の先生に指導してもらい、筋トレ・ジャンプ等をして午前中の練習を終えます。(このまま午前中にも作品練習をする時もあります)午後は、アメリカンカというものを行って体を起こし、筋トレ→作品練習(2種目だけをじっくりと)→筋トレ・柔軟で練習を締めます。

Q.アメリカンカというのはどこのクラブでも取り入れているみたいなのですが、このトレーニングによる効果はやはり大きいですか?

アメリカンカは日本にいる頃は、筋力トレーニングの一環なのかと思っていましたが、こっちに来て、どうもそうではないように思います。筋力トレーニングはまた別のものをやりますから、どちらかといったらアメリカンカは作品練習をする前の体起こしのためのupといった感じです。

Q.日本での練習と違うところはありますか?

日本では、例えミスしても続けて通しを行うという練習でしたが、こっちではちょっとでもコーチの気に入らない部分(例えそれが落下ミスではなくても。例えば、かかとの低さであったりとか…)があれば、始めからやり直しになります。もちろん、その後はミスしても全部を通してやる練習もしますが…。おかげで “ещё рас с начала” (もう一度始めから)というロシア語のフレーズはすぐに覚えられました(笑

あとはやはり柔軟にかける時間が日本より長いのと、練習後にもやるところがおもしろいな、って思いました。

Q.柔軟のトレーニングには一日何時間程かけているのですか?

その日によって作品の出来具合とかで時間の余裕に差があるので、一概には言えませんが、朝、午後の練習を始める前と作品練習が終わった後には必ずやります。

Q.ベラルーシには独特の練習法などはあるのですか?

専属のバレエの先生(男の先生)がいて、バレエ以外でも演技の練習をみて注意をしています。

それから、毎日ではありませんが、柔軟性と筋力を高めるマシーンを使っての筋トレや、他にもエアロビでリズム感を高めたり、そういうのはベラルーシ独特の練習法ではないかな、と思います。

Q.バレエの先生がバレエレッスン以外でも注意をするのですね。その先生はどういったことを指摘していますか?

手などの表現や、ピボットなどのナンドが上手くできないときにどうして上手くいかないのか(例えばお腹に力をいれなきゃいけないetc..)などを教えてくれます。

Q.世界レベルの選手を育成するクラブなので練習は厳しいと思います。辛くないですか?
Kurylskaya
もうやめてしまったクリルスカヤと綾音選手

はい、とても厳しいです。アキレス腱炎にもなって歩くだけでも痛い時期もありました。辛くないといえば嘘になりますが、でも厳しいのは覚悟の上でしたし、辛くなったときは、私は今日本人選手の中で一番恵まれた練習環境にいるんだって思い起こして頑張っています。びっくりしたのは、こっちの選手は本当によく泣きます。私も日本ではよく泣く方でしたが、こっちにきてからはまだ泣いていません。どんなに柔軟で押されて痛くても泣かないのでよく驚かれます。というのも、泣いたら余計押されるんじゃないかと思うので我慢してます(笑

Q.ベラルーシの新体操の特徴を教えてください

なんといってもやはり、音楽と動きの一致が一番の特徴だと思います。新ルールになってからほとんどの選手はナンドの羅列の演技になってしまっていますが、ベラルーシは少しでも独特な動きをいれたりおもしろい操作をしたりしているので、演技がとても魅力的です。

Q.コーチはどんな人ですか?

レパルスカヤコーチはお忙しい方であまり練習に来られません。また来たときもその時々で見たい選手を指名して音楽をかけるので、日本のように選手中心というよりはコーチ中心といった印象をうけました。ラリサ・ルキヤネンココーチは練習時は私が思っていた以上に本当に厳しい方ですが、練習外ではとても優しく親切です。そんなラリサが私は大好きです。

Q.ディナモの選手達とはどうですか?仲のいい選手はいますか?

始めはみんなよそよそしい感じがありましたが、そんな中でもリューバ(リュボフ・チャルカシナ)やスベトラーナ(ルダロバ)は始めからとってもFriendlyに話しかけてきてくれて、他の選手も私がロシア語を少し話すことを知ったらたくさん話しかけてきてくれるようになりました。

選抜団体の選手も私の演技をコーチが作ってくださるときに一緒に動いて手伝ってくれたりして、仲良くなれました。でもまだまだロシア語は英語に比べると知っている語彙数も少ないので、もっといっぱい勉強して、もっとみんなのいっていることを理解できるようになれたらいいな、って思います。

Dinamo
Q.何かエピソードがあったら聞かせてください

驚いたエピソードは、バレエレッスンをやっているときに、バレエの先生がいないと一回ごとにお話タイムみたいになってて、インナ(ジュコバ)とバレリア(クリルスカヤ)がみんなに何かを話して聞かせていて、その話の途中でピアノを弾く人が弾き始めたら “何で弾き始めるのよ!” と舌打ちをして怒っていました。日本では絶対ありえないことだったのですごく驚きました。

嬉しかったエピソードでは、初めて練習に行った日にスベトラーナ(ルダロバ)は私の尊敬に値する人だったので、目上の人やあまり親しくないもの同士で使うさよならの言葉をいったら、笑って “Пока” パカー(親しいもの同士で使うさよならのあいさつ)っていってくれました。

苦いエピソードは、私が演技を作ってもらっているときにインナに誤ってロープをぶつけてしまったら、インナが怒ってしまいました。

おかしかったエピソードは、ロシア語では愛情や親しみを込めて相手の名前を呼ぶときに、~чка(~チカ)を語尾につけるんですけど(例えば小さい子供はお母さんのことを мамочка マーマチカと呼ぶ)通し中にラリサに Аянэчка  アヤネチカ~!って叫ばれたときは思わず笑ってしまいました。

新体操以外では、冬に練習後で暑かったので帽子をかぶっていなかったら、見知らぬおばさんに「そんなに頭を外気にさらしだしてちゃ駄目じゃないの!テレビでもいつも帽子で頭を保護しなさいっていってるでしょ!?」っていきなり怒鳴られてすごくびっくりしました(笑

Q.ベラルーシでの生活に馴染むのは大変でしたか?

始めはやっぱり日本人一人でかなり淋しかったし、ロシア語をしゃべる人は怒鳴りがちな傾向がある上、見知らぬ人(どうみてもロシア語を話さなそうな私)に対しても普通に話しかけてくるし、ちょっとびびってしまっていた部分もありましたが今は大分なれました。

Q.ホームシックにはなりませんでしたか?

日本食が恋しくなったりはしましたけど、ひどいホームシックには今のところなっていません。というのもメールや電話で日本にいる時以上に家族と話している気がするので…(笑

Q.留学生活で一番困ったことって何ですか?

なんといってもベラルーシのVISAを取ることです。VISAを取る際に保険加入もしなくてはならず、大使館でも保険会社でも英語がほとんど通じず、ロシア語でのやりとりなので、初めは本当に苦労しました。

Q.休日はありますか?

はい、日曜日は小さい子達で練習する子もいますが、ほとんどの選手、コーチはお休みです。日本では日曜日は休日だからこそ長く練習していたので、こっちでも日曜日も練習しているんだとばっかり思っていましたが、日曜日や他の祝日には絶対に練習がないので驚きました。

Q.休日は何をしてますか?

寝不足のときはいつもより長めに寝てゆっくり体を休めて、天気が良ければ散歩したり買い物に行ったり、友達と会って一緒にご飯食べたりおしゃべりしたりします。大学のテストや課題があるときは普段あまり出来ない分、休日になるべく終わらせます。

Q.ミンスクの街は好きですか?

ミンスクはまだ旧ソ連時代の雰囲気が残っていてあまり観光できるような場所がなかったり、レストランや買い物できるような場所も日本に比べたら全然少なくて、初めはあまり好きませんでした。でも、道幅が広く、建物も大きく、見通しがよかったり、街自体は清掃員の方のおかげでごみが少なく、綺麗なところは気に入っています。

Q.ミンスクにはお気に入りの場所とかありますか?

特に見る場所が少ないせいもあって一番気に入っている場所はやっぱり、Dynamoの専用の体育館自体です(笑

大・小の体育館やバレエレッスンのための小ホール、天井も高く鏡もあり、それぞれにちゃんと新体操用のマットが敷き詰められているという、抜群の設備です。暖房もついているおかげで厳しい冬の寒さも無事に越えられました。

Q.ベラルーシの食べ物は美味しいですか?

はい、おいしいと思います。あまりロシア料理と変わらない感じです。

Q.もしベラルーシに来たら「これはお薦め」って料理があったら教えてください

スープではやっぱりボルシチかな。日本で食べるのよりもっとあっさりしてておいしいです。

Q.リトアニアのヴィリニュス大学に留学しているそうですね。ヴィリニュスに住んでいるとのことですがミンスクまでは近いのですか?

ミンスクまではバスで4時間弱です。といっても実際にバスに乗ってる時間は3時間弱だと思います。国境を越える際、パスポートコントロールやVISAのチェック等に時間がかかるので…。ヴィリニュスからベラルーシの国境までは30分で着いてしまいます。

Q.連日の移動に片道4時間弱は大変ですね。移動中の時間を何か有効活用してます?

初めの頃はバスの中でよく寝れるようにと、朝5:00ヴィリニュス発のバスを利用していましたが、 練習の時間と合わないのとやはり朝4時頃に起きるのを続けるのはきついため、今は時間帯を変えています。でも、たいてい行きも帰りも(特に帰りは疲れているので)ほとんど寝ています(笑

Q.ミンスクに行けないときはリトアニアでも練習をされているのですよね?

はい、ベラルーシでの練習よりはずっと短い時間の練習ですが、幸いこちらでもコーチが国際審判員という素晴らしい方であったため、練習内容はとても充実しています。

Q.リトアニアの新体操クラブってどんな感じなのですか?
Vilnius 01
リトアニアの新体操クラブ

ディナモの選手達はとにかく上を目指すために厳しいトレーニングを必死に行っているのに対して、リトアニアのクラブの子達は、もっと楽しんでやっている感じがします。それでも、決して本格的じゃない、というわけではなく、小さいうちから手具の練習も行っているため手具操作が上手く、みんなどんな難しい技でもすぐにできるようになってしまうので、とても驚いています。

Q.ヴィリニュスってどんな街ですか?
Vilnius 02
ヴィリニュスの町並み

小さいけれど本当に可愛らしい街です。特に私が住んでいる旧市街は世界遺産にも登録されていて、凄く美しい町並みです。来る前までは旧ソ連からの独立国だから、もっと寂れた感じなのかと思っていたら全然そんなこともなく、2005年にEUに加盟したこともあってか、とても発展してきている感じがします。物価は日本に比べたらかなり安いですし、結構何でも手に入るので住むのにほとんど苦労しません。

Q.ヴィリニュスの街は好きですか?

はい、大好きです。今までいろんな国をみてきましたが、今のところ一番気に入っています。もちろん日本が一番住み心地がいいですが、ヴィリニュスはその次に好きなぐらいです。永住してもいいか?って聞かれたら時たま日本に帰れればいいっていえると思います(笑

Q.ヴィリニュスにはお気に入りの場所とかありますか?
Vilnius 03
綾音さんの通っている Vilnius University

はい、たくさんあります。大学内も世界遺産の一部で、内装や天井のフレスコ画など、本当に素晴らしいです。また、とても大きなショッピングセンターもあったりして、新市街、旧市街、どちらも本当に楽しめます。

Q.私は食いしん坊なのですがヴィリニュス又はリトアニアで「これはお薦め」って料理があったら教えてください

おススメというか、リトアニアに来たら必ず食べることを勧められるのが “ツェペリナイ” という、芋もちみたいなものの中にお肉が入った料理です。でも、これは結構重たい料理なので私達留学生の間でも好きな人と嫌いな人に分かれます。

Q.食事制限は大変ですか?

…はい。(苦笑

特に今は自分で食事を用意する環境にいるので自分が好きなものを食べたい衝動にかられます(笑

でも、練習がとてもハードなので食べないと動けないし、食べすぎはいけないし、そこの調節が難しいですね。特に冬は…

Q.何を食べてますか?

果物はよく食べます。計り売りで1個単位で買えるので練習後の食欲があまりないときは、りんごやオレンジなど食べています。こっちの選手達もよくりんご丸々1個をかぶりつきながら練習後のおしゃべりをしたりしています。

Q.趣味を教えてください

映画を見たりスポーツを見たりするのが好きです。特にフィギアスケートは新体操と似ている部分が多いので表現の部分でとても参考になります。あとは旅行するのも大好きです。もっともっと世界中のいろんなところを見てみたいな、って思います。

Q.昨年はモスクワまで新体操ヨーロッパ選手権を観戦に行かれたのですよね。本場の競技会はどうでした?

声援がもの凄くてびっくりしました。特にカバエバや他の地元の選手のときは音楽が聞こえないぐらいで、選手はよくこの中集中してやれるな、と思いました。

また、競技以外でも演技の合間に行われたロシアの小さい子達の一人ずつのエキシビジョンの演技も素晴らしくて、ロシアの層の厚さを改めて感じました。

Q.これまでの新体操人生でスランプに陥ったことはありますか?

はい、もちろんあります。高校時代からつい最近までずっとそういうような状態が続いていて、なかなか試合で思うような演技ができなかったり、できても結果につながらなかったり…。

このベラルーシ留学を期にこのスランプから脱け出せるといいな、って思っています。

Q.現在の新体操ルールをどう思いますか?

正直、前のルールの方がずっとよかったと思います。今のルールはやる方も多くのナンドや技をやらなくちゃいけなくて大変だし、見る側でも昔のルールのときの方が芸術性を大事にしていて、見ていておもしろい演技ばかりだったと思います。

Q.得意な種目・苦手な種目はありますか?

得意種目はフープとクラブですがクラブは試合で大失敗してしまうことが多いので、得意なわけではなくてただ好きなだけかもしれません(笑

苦手なのはリボンとロープ。扱いが難しいので。新しい演技はロープもリボンも大好きです。

Q.全種目の演技構成を新しくしたのですよね。詳しく教えてください

4種目のうち3種目をベラルーシで作っていただきました。リボンはベラルーシのナショナル団体やインナの構成を考えている先生に作っていただいて、曲はきっと聞けば「あ、この曲!」と、知っている方も多いと思いますが、私の大好きだったテオドラ・アレキサンドロバ選手が昔、フープで使っていた曲です。クラブとロープはナスチャ(イバンコバ)やマーシャ(ユシュケビッチ)の演技を作っている先生に作っていただきました。おもしろい操作がいっぱい入っていて難しいですが、とても気に入っています。

Q.綾音選手の演技の特徴を教えてください?

特徴というか、普段自分で演技を作っているときは必ずナンドの羅列にならないようにナンドとナンドの間に出来る限り動き(他の人がやっていないような)を入れて、オリジナリティ溢れる演技構成になるように努めています。

Q.どのような演技を目指していますか?

それはもちろん、ベラルーシの選手たちのように曲と動きが一致していて、お客さんに楽しんでもらえるような演技、なおかつナンドや技の面でも正確な演技をしたいです!

Q.これから出場を予定している試合を教えてください

4月にこちらである大会に出場しますが、日本で行われる留学後の初試合は5月初旬の東日本インカレです。一時帰国して出場します。

小暮綾音選手のプロフィール
1986年10月14日生まれ
早稲田大学国際教養学部
《主な戦績》
2005年 全日本インカレ 種目別(ロープ) 7位 (ボール) 8位
高体連(関東) 個人総合 14位
2004年 高体連(東京都) 個人総合 5位
長野カップ 種目別(フープ) 優勝 (ロープ) 2位
2001年 中体連(東京都) 個人総合 4位
2000年 中体連(全国大会) 個人総合 4位
全日本クラブ選手権 個人総合 3位
中体連(関東大会) 個人総合 2位
関東ジュニア選手権 個人総合 2位
中体連(東京都)  個人総合 2位 種目別(フープ) 優勝
東京ジュニア選手権 個人総合 2位
ポルチマン国際 15位
1999年 イオンカップ 8位
全日本ジュニア選手権大会 14位
全日本クラブ選手権 6位
1998年 全日本クラブチャイルド選手権 2位
1996年 全日本クラブチャイルド選手権 2位
全日本クラブチャイルド選手権 7位
1995年 東京ジュニア選手権(チャイルド)2位

取材後記

小暮綾音選手にインタビューを申し込んだら快く受けて貰えました。この記事を作成するに至ってこちらからの質問に応えて貰い、その応えに対してまた質問して応えてもらうといった感じで何度もメールのやり取りをし、その都度いつも気さくに応じてくれて誠に感謝。また、一つ一つの質問にも的確且つとても丁寧に応えてくれました。お話を伺うまで日本人で新体操の強国に一年もの長期の留学をしている人が居ることも知りませんでした。自分としては関心のある話題がたくさん訊けて有意義だったし、楽しかったです。写真なども送って頂きました。試合に備えて猛練習中でお忙しい中、取材に御協力頂きありがとう御座いました。

Last Updated: Wed, -0001-11-30 00:00:00

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Morgoth @R/5d07kU

ももさん
私はまったく構いませんよ。もう全世界に向けて公開されているので無問題のように思います。そして綾音さんはプレッシャーを押し退けて頑張ってください!
あと私は新体操海外事情にあまり詳しくないような・・・世界中の新体操ファンが集まっているようなフォーラムサイトを頻繁にチェックして情報を探すという感じですかね。そういうところには各国の新体操関係者(フェデレーションの中の人やクラブ関係者、選手など)と思われる人達の書き込みもたくさんありますしね。そういった情報を元に第一次情報を参照するといった感じです。私よりももっと詳しい人はたくさん居るはずなんです。でもそういった人達はあまり表に書き込みをしないみたいです。

もも @-

今回の素晴らしい小暮選手のインタビューも含めてMorgothさんの“数寄屋番外地”を私のブログでも是非紹介したいのですが、どうでしょうか?彼女のプレッシャーになるでしょうか?
それからMorgothさんはどうして新体操海外事情にそんなに詳しいのですか??

[Edit]

Morgoth @R/5d07kU

ももさん
思い切って取材のお願いをしてほんとうに良かったと思います。自分で言うのも何ですが完成した記事を見て「どうよ、これ!かなりイイんじゃない!!」って思っちゃいましたよ(わら
もちろん全て綾音選手の全面的な協力があったお蔭で出来たわけですが。
東日本インカレ、私も観に行きたい!

小暮綾音さん
こちらこそありがとうございます。私もこれから綾音選手の挑む競技会を応援していきます。ベラルーシ仕込みの雰囲気のある演技、頑張ってください!

余談ですが
顔文字の表示がくずれるようでしたので、ちゃんと使えるようにスタイルシートのコメント部分のフォントファミリーの指定を変えてみました。
どうかしら(´∪`●)

もも @-

おぉ~!小暮選手からお返事?が頂けるとは思ってもみませんでした!ありがとうございます!!
小暮選手らしい演技を楽しみにしています(*^-^*)

[Edit]

小暮綾音 @rsozy.gs

素敵なインタビュー記事を書いてくださって、Morgothさんには感謝しています。

ももさん、応援ありがとうございます(´∀`*)
でも、そ、そんなに期待しないでください(笑 4種目とも演技が難しく、来月こちらである試合に備えてこれでも作った当初より大分簡単になったのですが、まだまだこなしきれていない状態なので…。それでも、ミスのことはそんなに気にしないで、観客のみなさんに楽しんでもらえるような、ちょっとでもベラルーシらしい雰囲気のある演技ができるように頑張ります!

もも @-

素晴らしいインタビューですね!質問内容も回答も充実していて読み応えたっぷりでした。私が小暮選手を初めて見たのは全日本チャイルド選手権での講習会です。当時彼女は小6だったと思います。小暮選手はつま先がとても美しく、新体操選手として必要な柔軟性、スタイル全てを兼ね備えた選手だと思います。
今年の東日本インカレには私の教え子も出場予定なので観戦に行こうと思っていましたが、小暮選手の演技も見られるなんて!きっと演技が力強く、大きくなっていることでしょうね、ますます楽しみになってきました!小暮選手の新体操留学、心から応援しています!!

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